物語No.040

満光寺の鶏

年代
年代不明
場所
愛知県新城市下吉田田中140
現在の名前:満光寺
古い名前:満光寺
キーワード
助けられた話, 不思議な話, 人柄が分かる話, 戦さに敗れて逃げる, 敗走, 泊まる, 褒美を与える, 満光寺, 鶏, 徳川家康, 県外,

物語本文

 引佐郡引佐町の北辺、田沢から少し西の所は、愛知県の南設楽郡鳳来町の下吉田である。この山間の村の入口の所に、
『満光寺(まんこうじ)』
という、小堀遠江守作の大庭園をもつ、古い大きな寺がある。
 四〇〇年の昔のことであった。
 戦さに敗れ逃げて来た徳川家康は、この満光寺を見ると、
『泊めてくれ、あしたの朝は、一番鶏(いちばんどり)が鳴いたら出立するから』
と泊った。
 ところがこの朝、どうした事か、一番鶏はいつもより早く、午前二時頃にはもう鳴いた。
『それ一番鶏だ。さあ出立だ』
 家康達は早いのもかまわず出て行ってしまった。
 ところが、普通の一番鶏の頃となると、
『ここだ、ここだ。この寺だ』
と敵兵は押しかけて来たが、もう家康達は出立した後だった。
 お蔭で無事だった家康は、後でこれを聞くと大よろこび、
『鶏のお蔭だ』
と、その後満光寺の鶏に、毎年二石の扶持(ふち)を与えたという。
 これは明治になるまで続いたと。

参考文献
  • 文献ID: R000
  • 文献名: 家康の愉快な伝説101話
  • 著者: 御手洗清
  • 発行: 遠州伝説研究協会 発行年: 昭和58年2月20日
  • 引用ページ: 124,125
住所
愛知県新城市下吉田田中140

※この地図のピンの示している場所は、上記の「場所」または「現在の名前」で検索された地点です。
 この地点は、必ずしも物語の舞台となった場所を示しているとは限りません。