物語No.092

大平山の山号

年代
年代不明
場所
周智郡森町三倉707
現在の名前:大平山 栄泉寺
古い名前:大平山 栄泉寺
キーワード
名前の由来, 戦いの話, 助けられた話, ある日の戦さ, 敗走, 和尚に弟子入りする, 栄泉寺, 徳川家康, 徳川家光, 市外,

物語本文

 周智郡の森町の、更に山深く入った所に、
『大平山 栄泉寺』
という古い寺がある。この寺は四〇〇年の昔、徳川家康から、大平山の山号を貰ったと伝えられている。
 その頃徳川家康は、甲斐の武田信玄の軍と、このあたりで戦ったが、寡兵のため敗れて、敵兵に追われる身となった。
『困ったな』
 見るとそこに寺がある。駈け込んだ家康は、
『おい助けてくれ。お前の弟子にしてくれ』
『はい』
 和尚はすぐ、剃刀を持って来て、家康の頭をくりくりに剃って坊さんにしてしまった。
 そして二人は本堂の前に並んで、お経を読んでいた。それを見た敵兵は、
『ここには居ないな』
と二人の後ろ姿を見て、行ってしまった。
『これも和尚のお陰だ』
 家康は喜んで、
『大平に暮らす事が出来るように』
と、大平山の山号を呉れたと言う。
 その後三代将軍家光は、祖父家康の恩になった所を廻って、この寺に来て、
『大平山』
の書額を書いた。それでこの寺では、その書額を久しく、山門にかけて置いたということである。

参考文献
  • 文献ID: R000
  • 文献名: 家康の愉快な伝説101話
  • 著者: 御手洗清
  • 発行: 遠州伝説研究協会 発行年: 昭和58年2月20日
  • 引用ページ: 258,259
住所
周智郡森町三倉707

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 この地点は、必ずしも物語の舞台となった場所を示しているとは限りません。